相談内容
10代です。生理が半年近くきません。(生理が年に3回しかきません。)
病気ですか?
アドバイス
通常、
生理がこなくなっている場合の婦人科を受診する目安は3カ月です。
3か月以上生理がこない場合は、卵巣にうまくはたらいていない状態か、病気があるかなどの原因があるはずなので、
必ず婦人科へ行って子宮や卵巣、女性ホルモンに関しての異常がないかどうかの検査をしましょう。
1年間に生理が3回しかきていないようなときは、生理がくるのがどんな周期だったのかにもよって少し判断が分かれます。
3回でも同じくらいの間隔があいているなら基礎体温を測って様子をみるのもありですが、2か月あいたり3カ月あいたりとまちまちで3カ月以上あく月がある場合はやはり異常のサインですので必ず婦人科を受診しましょう。
10代だと婦人科へ行くのにもとても抵抗があるものですが、放置しておくと以下のデメリットがあります。
- 生理がこないまま放置すると妊娠しづらくなる
- 病気がある場合悪化して手遅れになると子宮や卵巣をとる手術が必要
- 女性ホルモンがうまくはたらいていない状態を放置すると肌のコンディションが悪くなったり、髪質が悪くなったり、性交痛が起きやすくなったりと体のあちこちに悪影響が出やすい
生理というのは、脳と卵巣からでるホルモンが働くことで子宮から出血が起きます。
生理がこなくなってきた女性の場合、卵巣がなんらかの原因で働いていないことが原因であることが多く、放置しておくとそのまま卵巣が働かないままになり、妊娠を希望している時期に妊娠ができなくなってしまいます。
また、甲状腺もホルモンを出す場所であり、この甲状腺が病気になると生理を起こすための連携ができないのでやはり生理がこなくなります。
生理がこないというのは、排卵していないということです。
排卵とは「卵子を排出」するということで、卵子が卵巣から排出されないと妊娠に必要な精子との授精ができませんからやはり不妊状態になります。
また、卵巣が働いていないということは、女性ホルモンがでていないということですから、女性ホルモンが少なりすぎて髪が抜けたり、肌がボロボロになったり、貧血になりやすかったり、骨粗鬆症のように骨がモロくなったり、歯がボロボロになったりもします。もちろん、胸のはりもおちやすかったりしますし、性交をしたときに性交痛が起きてしまうこと
もあります。
女性ホルモンは、女性の体を女性らしく保つために体中に影響があるホルモンなのでいろいろな悪影響があるのです。
ですから、卵巣と甲状腺の健康状態を確認し、病気がないかどうかを見極め適切な対応をすることが大切です。
10代の女性にとっては婦人科へ行くことはとてつもない抵抗があることではあります。
私への相談もきっと家族の女性には話せないでいるのかなと感じるので、もしそうであるならば婦人科へ行くのに付き添ってもらうことを口に出すのも抵抗があることでしょう。
ただ、卵巣や甲状腺の異常があるかどうかを確認せずここで見逃してしまうことは、あなたの女性としての人生を大きく変えてしまうことになりかねません。
私に相談がある女性は20〜40代が中心で、妊娠希望しているのに病気があるためになかなか妊娠できないことにとても悔しがっています。
なかには10年以上前に病気を指摘されたけれどもそのときは放置していて、10年経って悪化してしまって手術ししないとダメだと言われている女性もいます。
こういった女性たちの声を聞いている身としては、まだ10代のあなたにはこのような経験をしてほしくありません。
婦人科へ行くこと自体は、あなたの周囲では滅多なことではないかもしれませんが、日本全体でみると生理痛がひどかったり生理が不順だったりして婦人科にかかっている女子中高生を含む10代の女性はたくさんいますから必ず婦人科へは行ってください。
もし、婦人科へ行きたいことを家族に相談しにくい場合は、学生の場合は家族に話す前に学校の養護教諭(保健室の先生)か、住んでいる市町村の保健センターの保健師に相談してみてましょう。
養護教諭にも相性があるので合わないと思ったら相談しないほうがいいですが、学校の養護教諭というのはいろんな生徒の悩みを聞いている仕事ですから、自分の子どものことしかわからない家族よりもいろいろな事例を知っていますし、家族よりも理解がよい場合もあります。
それに養護教諭なら地元の病院の知識もある程度はありますから情報を貰える可能性もあります。
抵抗がない先生であれば相談してみると家族に話す時のアドバイスをしてくれると思います。
もし、高校の養護教諭が合わないなら、卒業した中学校や小学校の養護教諭に連絡をとるのも方法です。
養護教諭と相性が合わない場合は、あなたが住んでいる市町村の保健センターに私と同じ職種である保健師がいます。
保健師の場合は、守秘義務があり相談業務が仕事なので非常に話しやすいでしょう。
地元の婦人科の情報もあるでしょうからアドバイスをもらうといいです。
保健師は、あなたの学校の中のことを知っているわけではないので、学校関係者や周囲の人に知られたくないときは相談しやすく気楽かもしれません。
たとえば、千葉市に住んでいるなら「千葉市 保健センター」でネットで検索すると電話番号がわかります。
もしくは、市役所に電話をして保健センターの番号を教えてもらってください。
保健センターは匿名でも対応しますので、自分の簡単な生理の状況と婦人科にかかりたいので地元の婦人科を教えてほしいことを電話てしてみるといいです。
婦人科でどんな検査をするの?
婦人科の診察には、内診といって、足を開いて膣の中に器具を入れて子宮の中に病気があるかどうかを検査する方法があります。
これは、性交経験がない場合受けても処女膜は保護されるものの、とても抵抗がある検査です。
病院側としても、性交経験がなくまだ高校生であれば内診はしないでほかの検査をしてくれるはずです。
検査の内容は以下のようです。
ホルモン注射を打ったほうがいいの?
「ホルモン注射」という言葉だけ知っている女性も多く、やったほうがいいのかという質問があります。
「ホルモン注射」と言われているのは、女性ホルモン補充するために打つ注射のことですが、これは医師が必要かどうかを判断して決める事です。
生理がこない場合、あなたの卵巣が女性ホルモンをだしていなくてホルモンの補充をしたほうがよければ注射も提案するでしょう。
でも、ホルモンというのはわずかスプーン1杯の量でも体の調子を左右するほどの威力があります。
ですから、簡単に増やせばいい減らせばいいというものではありません。
ホルモンは多すぎても少なすぎても病気を引き起こすため、体は常に「適量」を維持できるような仕組みになっています。
それを体の外側から薬でガバっと増やしたりすると副作用でかえって危険なことが起こることもあります。
安易に使っていいものではありませんので、そういう認識で覚えておいてください。
生理がくる体づくり
生理が2カ月以上きていないときは、薬を使うこともありますが、普段の生活を卵巣や子宮に負担がかからない工夫をする必要があります。
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